トップ  >  楽曲紹介  >  016 君の歌

初出 2014-08-11

 

 

■説明

 

■概要

 

Key=C#m

BPM=180

 

■構成

 

Intro-A1-B1-C1-Intro2-A2-B2-C2-Intro3-D-C3-C-4-Outro

 

■進行(E)

 

■進行
 
○Aメロ
AM7-Bsus4-C#m7-E
 
○Bメロ(ハイコードカッティング)
A-B-C#m-C#m
A-B-C#m-E
 
○サビ
AM7-B-C#m
AM7-B-C#m-E
 
○Bメロ
AM7-Bsus4-A#m7-E
AM7-B
 
○間奏
AM7-B-C#m-E

 

 

 

■進行

 

○Aメロ
CM7-Dsus4-Em7-G
 
○Bメロ(ハイコードカッティング)
C-D-Em-Em
C-D-Em-G

 

○サビ(ハイコード)
C-D-Em
C-D-Em-G

 

○Dメロ(アルペジオ)
CM7-Dsus4-Em7-G
CM7-D

 

○間奏
C-D-Em-G

 

■歌詞

 

捨てられなかった ギターの群れ
才能が なかったんだ 君は嘆く
本棚隅っこに 今も隠れ

メモ帳へ 書き殴った 軋む心

つぎ込んだ時間 友達も恋人も 居なくなった
泡んなった 無駄だった 泣きそうに笑うの

君の歌が好きだ 好きだ 好きだ
どんなに上手い プロよりも
君の方が好きだ 好きだ 好きだ
甘く深い声 世界中で一番 好きだ

 

結局
捨てきれなかった ギターの群れ
錆付いた 弦変え クロス磨く
失った パーツあった ほこりまみれ
交代で 拭きまくった ペグも光る 

つぎ込んだ 時間 友達も 恋人も 居なくなった
泡になった 無駄だった? でも 出会えた

君の歌が 好きだ 好きだ
もう一度 私と歌ってよ
君の音が 好きだ 好きだ
P90の爆音 かき鳴らす無駄なんかじゃない

 

多分 たくさん 間違えたんだろう
だから たくさん 傷ついたんだろう
何もかも灰になって消えても
私はここに居ます

君の歌が好きだ 好きだ 好きだ
どんなに上手い プロよりも
君の方が好きだ 好きだ 好きだ
甘く深い声 世界中の誰より

君の歌が好きだ 好きだ 好きだ
もう一度 私と歌ってよ
君のことが好きだ 好きだ 好きだ
P90の爆音 かき鳴らす 無駄なんかじゃない

 

 

|AM7---|B-----|C#m----|E-----|

(×2)

 

AM7               Bsus4

捨てられなかった  ギターの群れ

C#m7                E

才能がなかったんだ  君は嘆く

AM7           Bsus4

本棚隅っこに  今も隠れ

C#m7                E

メモ帳へ書き殴った  軋む心

 

         A   B     C#m        A

つぎ込んだ時間  友達も   恋人も居なくなった

B           C#m         E

  泡んなった 無駄だった 泣きそうに笑うの

 

AM7         B      C#m     E

君の歌が好きだ 好きだ 好きだ

AM7        B     C#m   E

どんなに上手い プロよりも

AM7         B      C#m     E

君の方が好きだ 好きだ 好きだ

AM7     B    C#m    E

甘く深い声 世界中で一番 好きだ

 

|AM7---|B-----|C#m----|E-----|

(×2)

        AM7          Bsus4

結局 捨てられなかった ギターの群れ

C#m7             E

錆付いた弦変え  クロス磨く

AM7                 Bsus4

失ったパーツあった  ほこりまみれ

AM7                Bsus4

交代で拭きまくった  ペグも光る 

 

         A   B     C#m        A

つぎ込んだ時間  友達も  恋人も居なくなった

B          C#m             E

  泡んなった 無駄だった?  でも出会えた

 

 AM7        B      C#m     E

君の歌が好きだ 好きだ 好きだ

   AM7  B     C#m  E

もう一度 私と歌ってよ

AM7         B      C#m     E

君の音が好きだ 好きだ 好きだ

AM7 B       C#m        E

P90の爆音 かき鳴らす 無駄なんかじゃない

 

|AM7---|B-----|C#m----|E-----|

(×4)

 

      AM7          E

多分たくさん 間違えたんだろう

        AM7           E

だからたくさん 傷ついたんだろう

  AM7          E

何もかも灰になって消えても

E      Eadd9  E

私はここに居ます

 

AM7         B      C#m     E

君の歌が好きだ 好きだ 好きだ

AM7        B     C#m   E

どんなに上手い プロよりも

AM7         B      C#m     E

君の方が好きだ 好きだ 好きだ

AM7     B    C#m   E

甘く深い声 世界中の誰より

 

 

 AM7        B      C#m     E

君の歌が好きだ 好きだ 好きだ

   AM7  B     C#m  E

もう一度 私と歌ってよ

AM7         B      C#m     E

君のことが好きだ 好きだ 好きだ

AM7 B       C#m        E

P90の爆音 かき鳴らす 無駄なんかじゃない

 

 

|A-----|B-----|C#m----|E-----|

(×2)

 

---------------------------------------

音楽が大好きで、だから大嫌いで、

だけど結局そこに戻ってくる全てのミュージシャンへ。

 

------------------------------------------

 

 

■説明

 

「もう音楽なんてやめる」

 

部屋中に充満したため息の中で、疲れ果てたように君は言った。

 

 

ただ本気でやりたいだけだった、自分だけが一生懸命みたいで空回りで、最後にはほら、みんな居なくなったよ。

つぎ込んだ膨大な時間も、お金も、労力も、二度と戻らない、泡になった。

友達も、恋人も、結局何も残らなかった。

 

十年も二十年も、自分は一体何をしていたんだろう。

きっと、なにもかも無駄だったんだよ。

 

「もう、やめる」

無理やり吹っ切れたようにそう言った。

 

 

 

一週間後には、大量の機材を、ギターを、ベースを、エフェクターを、キーボードを、中古買取店へ買ったときの十分の一以下の値段で売り払った。

中古楽器屋の店員が大きな車に積み込んで、ボンネットをしめ、こちらに向き直る。

 

「では、これで一度査定させて頂きます、よろしいですか?」

 

よろしくないよ、全然。

 

「大丈夫です、お願いします」

 

でも、ほかに答えようがないじゃない。

 

そうやって、どこか足りない隙間を見ないようにして過ごすような、

音楽の無い日々がしばらく続いた。

 

 

 

でもやっぱりそのうち、思い出してしまうんだ。

コンビニの一番安い日本酒のパックを1リットル近く飲み干して、

ベッドにぐったり仰向けになりながら、

「俺のフライングV、失くなっちゃったな」と、君はぽつりと呟いた。

 

寝転がって天井を見上げて、どこか遠くを見ているような、何も見ていないような目をして。

 

「じゃあ、もう一回買いなおそう。

 せっかくだから今度はギブソンの本物を買おう。

 きっと、前よりもっといい音がする」

 

ウィスキーの水割りを飲みながら、私は言う。

ただ、笑って欲しくて。

 

「十万円以上もするもの、そんなポンと買えるわけないだろう、アホか」

苦笑する君に、

「買える。私が買う」と言い張った。

 

「もう俺は弾かない」

「私が弾く」

 

「私は歌いたい。協力してくれないかな」

 

きっと、君にとっても悪い話じゃあないだろう?

本当は、やりたいくせに。

 

 

音楽が大好きで、だから音楽が大嫌いで。

黒歴史だなぁって言いながらも学生時代のやりきれない気持ちや言葉を、お世辞にも綺麗とは言えない字で書き殴ったノートだって、まだ本棚の片隅にあることを、私は知っている。

 

P90のピックアップに改造したあのフライングVのことを、忘れようとしてもやっぱり戻ってきてしまうことを知っている。

 

君は、何も答えなかった。

 

 

 

一ヵ月後。

ダークチェリーの本物のギブソンのフライングVが、部屋に鎮座ましましていた。

ピックアップだってちゃんとこだわりのダンカンSPH-90に改造済。

 

結局捨てきれなかったギターの群れも、片っ端から業者かって勢いで弦を交換しては巻き交換しては巻き、千切っては投げの勢いで、クロスで磨きまくった。

曇っていたペグも、ヤニでネチョっとしていたボディも、ピカピカに光った。

 

私は、ダンロップのオレンジ三角ピックをつまんで。

新品のフライングVをかき鳴らし、ヘッドフォンだけど爆音を鳴らしてみる。

ジャキーーーーーンって。

 

「俺のフライングVの音がする」と君は言った。

昔の、いや昔以上の音がする、と言って、そりゃまぁギブソンだしなぁと笑い合った。

 

 

ああ、本当にいい音がするんだ。

私は、この音が好きだ。

君のギターが好きだ。

君の歌が好きだ。

君のことが好きだ。

 

『何もかも灰になって消えても

 私は、ここに居ます』

 

『P90の爆音 かき鳴らす 無駄なんかじゃない』

 

 

 

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